社長インタビュー

内海和憲
2013年1月、創業60周年を迎えたヒューマングループ
「Human Service is Art」宣言をした内海和憲社長にインタビューを行いました。
--社名の由来を教えてください。
 弊社は当初、「佐世保交通産業」という社名で、昭和28年に佐世保自動車学校を開校しました。長い間、「佐世保自動車学校」「松浦自動車学校」「佐世保交通産業貸切バス」という別々の社名を使っていたのですが、平成16年に「ヒューマングループ」に総称を変更しました。
 変更のきっかけは、創業者である私の父の突然の死でした。1989年に父が心筋梗塞で急死し、自分が社長の椅子に座ることになったとき、改めて父はどんな思いでこの仕事を始めたのだろうか…と、会社の創業精神について考えたのです。
 そんな時、「国立身体障害者リハビリテーションセンター」から「障害者教育を日本で初めて民間で取り組んだ佐世保自動車学校のことを知りたい」という取材依頼が舞い込んできました。調べてみると、弊社は「障害者の方のための訓練を受け入れてほしい」と請われて、昭和37年に教育を始めていました。障害者の方が自動車免許を取得できるようになったのが昭和36年ですから、それはその翌年のこと。当時は経営状態も厳しく、今でいうボランティアで始めたようでした。
 また弊社はそれより前の昭和32年に少年院に三輪車を持ち込んで、院内の子どもたちが免許の取得ができるようにお手伝いをしていました。少年院の教育も日本で初めてのことで、記録によれば、4年間で98名もの子どもたちが免許を取得していました。もちろん、これもボランティアです。
 これらの事実を知った私は、父はなんと「人間愛=ヒューマン」にあふれた社長だったのかと思いました。父はそうしたことを一切語ることなく亡くなりましたが、私は当社の創業精神が「ヒューマン」であることを確信し、ヒューマングループに統一することにしました。
--事業を拡大していく中で、苦労した点は?
 特別大きな苦労があったとは思いませんが、目の前に問題があると、それを解決するためにどうしたらいいか……私はそれを常に「他人」に求めてきました。
 突然の社長就任に私自身も当惑しましたが、スタッフは私以上に不安だったと思います。しかし社長として舵を取らなければなりません。そのためにたくさんの優れた経営者と出会って、学んでいくことが必要だと感じました。私は積極的にセミナーや講演会に足を運び、自分に不足するものがあれば、それを補うために学習を始めました。これまでソフトバンクの孫正義さんや西研究所の西順一郎さんをはじめ、実に多くの経営者の方とお会いし、たくさんのことを学ぶことができました。「いま自分に一番欠けている部分と向き合い、それを補うために学習する」。私の一生はその連続です。そしてそれは今も続いています。
--社員の採用や人材教育について
 弊社の採用基準は「自分を成長させたいと思う人」です。素直さや笑顔は当然のこととして、チャンスが与えられたときに前向きに取り組むことができる、自分はラッキーだと思える、そういう人間性を大切にしています。
 新人研修では教育の一環として、1990年から「MG」(マネージメントゲーム)を行い、経営を学んでもらっています。経営は本で勉強しても頭に入ってきませんから、一人一人が社長になってゲームをすることで経営のエキス、利益とは何なのか、なぜ利益を出さなくてはならないのか、ということを学びます。なぜスタッフが経営を学ぶ必要があるのかと思われるかもしれませんが、経営は、必ず最終的には目の前のお客様に喜んでいただくことが大切だという答えにたどり着くのです。
 また以前はアメリカへの研修旅行も行っていました。スタッフをニューヨークに連れていき、一流のミュージカルを見てもらい、最高のレストランで最高のもてなしを受けてもらうんです。あるスタッフはこんな風に言ってくれました。「ミュージカルの代金は1万円ちょっと。自動車学校の教習でいえば、2教程分。自分たちはお客様にここまで感動を与えているか、恥ずかしい」。感動体験を自分の仕事に置き換えることは、非常に大切なことです。舞台に立っている役者が一人も手を抜かずに、全身全霊でステージに立っている。感動はそこから生まれている。それに気付くことで、自分が日頃どれだけ手を抜いているかを思い知ります。一流のものに触れることで、人は成長するのだと思いますね。
--地域への貢献についてどのような活動を行っていますか。
 基本は、企業が元気に経営を続けることが大切です。それが雇用の確保にもつながります。
 また身近なところを掃除することも大切ですね。今日もスタッフが校舎の横の落ち葉を掃除していましたが、自動車学校の周辺はいつもきれいにするように心がけています。そうすることで温かな雰囲気を出せればと思うんです。早岐校だけでなく、松浦校やバス、トラベル、それぞれのスタッフが社屋の周辺を掃除するようにしています。
--今後の展開について。3年後、5年後、どんな会社にしていきたいですか?
 平成25年1月に60周年を迎え「Human Service is Art」という言葉を宣言しました。ここには会社をアートで表現するという意味が込められています。
 ヒューマングループの商品は「サービス」です。アートとは死ぬまで極めること。最終的なゴールはありません。そのことから、私はサービスをアート的に、限りなく極めたいと思ったのです。その極め方は、ただひたすらに目の前のお客様に喜んでいただくということ。それこそが経営理念である「ヒューマンで人々に幸せを」そのものだと考えています。
 どの業界もそうですが、自動車学校業界も価格破壊が起きています。それに対抗するために、今後はもっともっと知恵を出し、よりよりサービスを提供していきたいですね。私はもちろんですが、これからはスタッフ自身が新しいサービスを創造する、工夫をしていくことも大切です。そしてお客様を喜ばせる前に、スタッフ同士が喜びあう。そのことが会社の成長にもつながっていきます。
 サービスの花が咲き、お客様にもっともっと喜んでいただく。今後は、このシステムの輪を業界中に広めていきたいと思います。
 

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